ままぱんの育児ブログ(仮)

ままぱんと息子べび男の日々を綴ります

イオンのカーニバル

我が家にはイヤイヤ期の息子がいる。


どこかにも書いたが、イヤイヤ期とは
「何でも自分でやりたいのにうまくできない、お母さんには絶対手伝ってほしくないけど自分じゃうまくできなくてあーもう最悪、なんで、あーーーーーもう全部いや、あーもう全部いやになっちゃったからね!!!」
というのが24時間続く時期である。


こうなると何をするのも大変だ。息子はゆるめのイヤイヤ期だが、それでもすぐ怒っておもちゃやらフォークやらをぶん投げるので困っている。


何より大変なのは買い物だ。まず一対一で買い物に行っても必要なもの全てを買い揃えることは不可能だと、はなから諦めて行かなければ心身がもたない。
スーパーでも、
「あ!見てクリスマスの飾りがあるよ~可愛いね!あっち見に行ってみよう?」
などと王子のご機嫌を損ねないよう慎重に声をかけつつ、キラキラした正月飾りの横のコーナーに誘導し、豆腐をゲットする。幸い、ツリーにしめ縄やかがみもちがおかしいということはまだ彼はご存じでない。


そんな、気分はさながら爆弾処理のママの買い物だが、この世には神が生み出した素晴らしい施設がある。イオンだ。いやこんなに世話になっておいて呼び捨てだなんて失礼かもしれない。イオン様だ。


まずイオン様は駐車場がでかい。ママがアルファードで子ども3人と来ても大丈夫だ。あ、我が家はソリオですが。
そしてトイレもでかい。基本外では自分はトイレに行かなくていいようにして出掛けるが、それでも緊急事態のときはある。抱っこひものまんまとか、ちょろちょろ3歳児と一緒にとか、そうなると普通だったら個室はぎゅうぎゅうだ。その点イオン様のトイレはよく考えられているなぁと思う。ベビーカーごと入れちゃうトイレだってある。きっと緊急になりやすいママが発案したに違いない。


そして、店内がとにかく広い。さらにイオン様には子どもが退屈しないように、屋根とハンドルのついたキャラクターカートが用意されている。これに乗せれば子どもはご機嫌に運転手気分を味わい、ママはゆっくり買い物を楽しめるという寸法だ。

しかしそう一筋縄ではいかないのが子ども。さっきまではアンパンマンカートがよかったけれど、他の子とすれ違ったらやっぱりトーマスカートがよくなった、などと言ってすぐ機嫌を損ねる。イオンは広しと言えどさすがに既に乗っているアンパンマンカートをそのへんに乗り捨てるわけにもいかないので(かなりでかい)、乗り換えられるところまで我慢していただくしかない。しかし聞き入れていただけるはずもなく、

「おぃゆ(おりる)!あゆく!おぃゆ!あっち!あっち!だこ(だっこ)!だこ!うわぁぁぁあああ」


爆弾が爆発した。こうなると戦闘開始の合図である。


「トーマスのところまで行こう?」
「のやない(のらない)!おぃゆ!」
アンパンマン置いていけないでしょ?ほら乗って行こう?ブーン!」
「のやない!おぃゆ!あっち!あっち!」
「じゃあ押していこう?ブーン!」
「だこ!だこ!いかにゃい(行かない)!」


ああもううるさいから仕方ない、と下ろすともっと悲惨だ。つないだ手を強引に振りほどいてちょろちょろする3歳児を、アンパンマンカートを押しながら追いかけ回さなければならない。こうなると、あの素晴らしい味方アンパンマンカートもただの巨大なお荷物である。
さらにその後、床と一体化した3歳児を数十分説得し続ける。


「ねえもう行こう?」
「いかにゃい」
「行きたくないかあ。じゃあ寝る?」
「ねにゃい」
「とりあえず立とうか?」
「あああぱあぱあ~(床に突っ伏して喋っている)」




ああブラジルの人よ、聞こえますか。


こちらは12月に入って町が一気にクリスマスムード一色となり、ショッピングモールにもツリーやおもちゃが立ち並ぶ季節となりました。

さて、いつも息子がお世話になっております。
イオンでも、ヤオコーでも、はたまた公園や家の前の道路でも、突然話しかけてしまってすみません。
ブラジルで地面からわき出る声は、私の息子のものです。

私の息子は、何を言っているかはよく分かりませんが、日本からはるか遠いブラジルのあなた方と交信したいようです。特に母親がガミガミとうるさい日は。1人、そちらのカーニバルを受信して歌ったり踊ったりしていることもあります。


今度息子が話しかけた折には、どうかぜひ、すぐに立ち上がるよう話していただけないでしょうか。


そうすれば息子も私も、また笑顔で前を向いて歩いていける気がします。
どうかくれぐれもよろしくお願いいたします。


追伸:母はサンバホイッスルなら多少嗜んでおります。人手不足の際にはご用命ください。